Kengo Noguchi

ロシアからデリー経由で昨日ここに到着したばかり。これから今回の旅がスタートする。
“Whatever happens, happens.” 何が起こるか、どこに行くか、そんなのわからない。
これぞ旅人といった受け答えだった。

自らをジプシークイーンだと名乗った。この量の荷物で列車に乗って来た時には驚いた。荷物のほぼ全ては仕入れて来た服であり、シーズン中はゴアのマーケットで売る。ファションに造詣が深く、私がカメラを向けるとあれこれ率先してポーズをしてみて自ら提案してみせた。シーズンが終われば次はどこに行くかはわからない。
行商人。

すでに旅をして3年が経った。この後タイへ行く。
女性と挨拶でハグとチークキスをする欧米の習慣になかなか慣れない自分がいる。

Mohit、7年間旅をしている。Ellie、4年間旅をしている。これから北インドのParvati Valleyに向け1800kmバイクで移動する。出発日の朝。

インド→ネパール→インド→東南アジア→ヨーロッパ。一年間の旅。
小柄で華奢な体に、ゆうに20kg以上あるバックパックを担いでいた。
旅中、石やクリスタルを沢山集めていおり、アクセサリーを作っている。ほぼ石やその道具の重量だと彼女は言った。私は山道を歩いてその荷物をバス停まで持っていってあげないわけにはいかなかった。この先も旅中、その都度優しい男にきっと持ってもらうのだろう。